思考脱線

本でグロい表現や血が出るシーンを見るたびに力が抜ける。片手で本を持っていられなくなる。それを感じるたびに「ああ、グロいの苦手だなあ。苦手と感じなくなりたいなあ。」と思う。「でも、〈グロいのを苦手と感じなくなったわたし〉は〈今のわたし〉とは違うわけだ。〈苦手と感じなくなったわたし〉はどうなるんだろう。血とか痛いのとかを想像してしまって嫌なのだから、〈苦手じゃなくなったわたし〉は人の痛みを想像しなくなるわけかな。そうなったら〈今の自分〉より人の痛みを想像しないぶんやさしくなくなるんじゃないかな。じゃあグロいのとか血とか痛いのとか苦手でいいや。でも本を持っていられなくなるのはやっぱり嫌だなあ。快適に本を読みたいなあ。」って考える。横道それて考え事をするから本を読むのは遅いのだ。遅すぎる。でも、そうやって考えることもまた楽しいし、そうすることは悪くはないと思う。読みたい本がいっぱいありすぎて早く読んでしまいたい気持ちもあるのだが。