年賀状

うちの小学校では、はがきサイズの厚紙が1枚5円で売られる。それを年賀状とし、みんなで渡し合おうという、毎年の企画があるのだ。
郵便局を通じる年賀状ではなく、校内だけで通じる年賀状。
普通の年賀状として買う金額に比べればはるかに安く手に入るので、みんな上限一杯の60枚を買い、クラスの友達、上級生、下級生、掃除当番で一緒になった人、先生にまで年賀状を渡しあった。


小学3年生の冬休み明け。ある先生から年賀状が届いた。その年の干支の動物が印刷されており、下に一言、手書きのメッセージが添えられていた。
「今年からは小学4年生。高学年の仲間入りだね。」というような文面だった。
高学年の仲間入り。その言葉に、私はわくわくした。他の先生からのメッセージなんて覚えていないけど、その先生の言葉は強く印象に残った。


次の年の冬休み明け。同じ先生からまた年賀状が届いた。そして、また手書きのメッセージが添えられていた。
「後少しで5年生。高学年の仲間入りだね。」と。
強い既視感を覚えた。


その時は色々なことを思った。
先生は大勢を相手にしてるんだから生徒はみんな同じに見えるんだろうか。とか
低学年と高学年という2つに分類される制度と、低学年、中学年、高学年という3つに分類される制度にはどんな違いがあるのか。とか
中学年と分類されたり高学年と分類されたりする小学4年生の中途半端さとは。とか。


こんなことを高校生にもなって覚えてるとは。と今思ってる。