怪獣か魔物かが怖かった

そいつは突然現れる。私の2倍くらいの大きさの、怪獣のような魔物のような怖いもの。そいつに襲われそうになる。日常を過ごしていると、突然現れ、時がくると去る。また普通の日々を過ごしていると現れ、去る。私はそいつが恐ろしくて部屋の隅など隠れるが、すぐに魔物に見つかり、怪我をする。たまに見つからない時があるが、怖くてぶるぶると震えながら魔物が去るのを待つ。そんなことがたびたびある。魔物が怖くて仕方がなかった。
ある時、1mほどの大きな、茶色いクマのぬいぐるみを、壁に立て掛け、クマが立ったように置いた。するとしばらく魔物は襲ってこなかった。偶然かもしれないが、何らかの関係があるかもしれないと、そのクマをずっと立たせておくことにした。そうして守り神のように扱った。
平穏な日々が続いたある時、姉と喋っていると、さっきまでなかったはずのクマのぬいぐるみが部屋の中央に寝そべった状態で置いてあった。私はそのクマのぬいぐるみが寝ていることが不安で、急いでクマを立ってるように見せようとした。しかし、体の部分が柔らかく、なかなか立ってくれない。私は焦っていくが、クマにはその焦りなんて伝わらず、へなへなと足を曲げ、腰を曲げ、立とうとはしない。そうこうしていらるうち、どしんどしんと音がするとでドアを開け廊下を見てみると、いた。また魔物が現れた。
怖くて怖くて、私はすぐさまドアを閉め、キッチンに隠れた。クマは立てなくて、タンスに持たれかけ、座っていた。
襲われる。襲われる。
そう思った時に目が覚めた。
ここ数年、怖い夢しか見ないなと短く笑い、私は起き上がった。