とび出す紙芝居「あかるいまち」

オープニングの音楽に惹かれ、本編の紙芝居で不思議な気持ちになり、そのままエンディングも不思議な気持ちが続く。
魅せられて、何度も見て、頭の中を支配された。
それがこの動画。

YouTube - 【Sawara Yamada】とび出す紙芝居「あかるいまち」
見終えた後は不思議な気持ちになるとおもう。その不思議さが私には心地良く思え、何度も何度も見てしまった。


この紙芝居は絵が抽象的。それが、夢のような印象を受けた。
夢というのは思い描く理想みたいな夢ではなく、寝ている間に見る夢のこと。
突拍子もないことがあるけど、雰囲気はなんとなく特別な、不思議な世界。


どうやったらこんなものが作れるんだろうか。鰆さん(動画製作者)は何を考えたんだろう。頭の中を覗いてみたい。


そう私が思えた紙芝居。ぜひ見てほしい。


動画を紹介したかっただけなので、以下は妄想です。読まなくていいです。読むとしたら、動画を見終わってからの方がよいかと。

自分なりの「あかるいまち」の解釈。妄想とも言う。


ウソツキは自分の世界にこもっているのだと思った。
街とはウソツキの内面の世界。自分ひとりの世界でこもりきっている寂しいウソツキ。でも、自分のこもっている世界は楽しく明るいと思っている。否。思い込もうとしている。
自分の世界にこもりきりの、そんな自分が大嫌い。でも、街という逃げ場を作らざるを得ない。そんな状況にいる。
ウソツキは自分の世界に閉じこもりながらも自分の世界で色んなことをした。でも色んなものをつくろうと、ウソツキの心は満たされなかった。
バス停は、自分の街から出るための手段。ウソツキは閉じこもりきりの世界から出ようとした。


そこに少女が現れる。


「ウソツキの街は暗い」と、そう少女に言われてしまう。
ウソツキは、この街が明るい世界なんだと自分をごまかし生きてきた。ウソツキは明るいんだと言った。
自分と少女は正反対の意見を言う。少女の意見はあながち的外れではない。でもウソツキは認めたくない。


少女が聞いた「あなたがつくり上げたもの」とは、ウソツキが自分の内側にこもって何かを得たかということ。ウソツキには、自分に身についた能力なんてわからない。
また現実を突きつける少女。だからウソツキはどこかに少女をやりたかった。


少女はウソツキに現実を教え、こもりきりの世界から助けに来たのではないかと思った。それが、3分47秒頃の絵。
少女は現実から来た。現実で生きている少女に嫉妬する。少女は輝いて見える。それも認めたくなくて、ウソツキは少女を幻と思うことにする。


ウソツキを助けに来た少女だが、ウソツキは少女を拒絶した。だから少女は去ってしまった。
でも、少女が来たことは無駄ではなかった。


ウソツキは、街は明るいんだと思い込もうとしていた。でも、少女により現実も見るようになった。それまで目を逸らしていた部分を少し見ようとしている。
それが最後の言葉。
「この街はずっと明るい。そして、どうしようもなく真っ暗だ。」


この妄想で導きだされた結論は、ウソツキは鰆さんであるということ。


……考えすぎな気がする。
でも、
深読みして、楽しめたら勝ちなんだ。それでいいんだ。
そんなことを私の知り合いが言ってた。