よくわからん一日

生きております。
別に死んだ説が流れたわけでも数日姿をくらましていたわけでもありませんが言いたいので言いました。生きております。和泉です。
昨日もまたよくわからん心境になる一日だったので、そのよくわからん一日を文字として残しておこうかなって思い、ここに書いてます。ええ、書いてます。気まぐれで。このブログは気まぐれでしか更新されてないので、このブログに新しい何かがあったなら、それは私が気まぐれを起こしたんだなって思えばいいと思います。気まぐれを起こすってなんだよ。まあいいや。書く。よくわからん心境になったって話。


よくわからん一日と言っておきながら話の始まりは夜の7時。
うちでちょっとした集まりが開催され、客間で知らん人のがやがやとした話し声が聞こえるわけです。そんな声を私は一瞬たりとも聞きたくなくて、ヘッドホンをし、音楽を爆音でループしながら、なぜか泣いていました。他人の声が嫌で嫌で仕方ないというわけでもなく、音楽に心を動かされたわけでもないのですが、ふと自分の状況を考えて涙を流しました。そういうことは最近多いのです。
人と会わないように事前に自室に持ってきた巻き寿司も、醤油を持ってくるのを忘れたので美味しく食べられません。涙なんて醤油の代わりになりません。塩分濃度が足りません。醤油を付けずに私に食べられたサーモンがかわいそう。せっかくのサーモンを醤油なしで食べた私がかわいそう。この時ほど私は醤油との対面を切に願ったことはありませんでした。嘘です。あと、私は「かわいそう」という言葉が嫌いです。どうでもいいですね。
まあそんな憂鬱な気分を過ごしていたわけですが、友人からチャットが飛んできて、9時からホームアローンがあることを知ります。客も帰り、鬱陶しい声も消えた中で友人とチャットをしたり映画をみたりして楽しく過ごし負の連鎖思考から抜け出せました。しかしホームアローンが終わり、チャットも終え、段々と憂鬱な気分がまた押し寄せてきました。
こういう気分になった時、私は散歩に出かけます。冷たい風に当たり、何か罰を受けた気分になれるため。そして思考の迷宮に迷い込まないために環境を変えるためです。いや、この理由は後付けで、散歩に出た一番の理由は「気まぐれ」です。なんとなく、です。なんとなく、夜中の11時に家を出ます。
夜の散歩は寒いです。めったに外に出ずにいるので、こういう寒さで季節を感じるんだな、と改めて思います。少しでも首に巻いたマフラーに顔を埋めるため、うつむいた姿勢で歩きます。前なんて見ません。前を向いたところで、無表情の通行人や、人を迎えに行くためだけの車、そして人の気も知らないでぼんやりと光る街灯が見えるだけです。私はただただうつむくのです。
なんの計画も無しに出かけたので行く目的もありません。このまま道をただひたすら歩くのもいつもどおりで味気ないなと思ったので、公園に行く事にしました。小学生の時の親友とよく遊んだ、踏切の近くの公園です。そんな思い出の公園。行ってみると明かりが少ないながらも、公園の中央にぽつんと街灯がありました。その下で私は座り込みます。何をするわけでもなく、何を考えるわけでもなく、次々に頭に浮かぶ言葉をただ見ているという感覚で時間を過ごす。たまに踏切の警告音や電車が通過する音が、思考を邪魔します。そのたびに今から線路の上に寝転んでやろうかという気になってきます。別に自殺願望があるわけではありませんが、今から死ぬとして私はどんな未練を残すだろうと考えることがあります。
そんな思考をぐるぐると彷徨っているうちに、iPhoneの時計が23:53を示す時になります。散歩をしようと思ってから一時間近く経っていました。こんな季節です。思い出したように寒さを感じました。体も冷えており、もうこの寒い状態のまま寝てしまってもいいのではとも思いましたが、12月にも入っていない気温で凍え死ねるのかというとそうでもないような気がしたので、迷惑なこどもは母親に電話をかけます。迎えに来てと。
数分すると車が近づく音が聞こえ、母は私の元まで来てくれます。非常識な時間に出かけ、非常識な時間に無茶な要求をしたにもかかわらず、母は私に「大丈夫?寒かったやろ?」と声をかけてくれます。そんな優しさもその時の私は気づかず、ふらふらとした足取りで無言で車に乗り込みます。母は元気の無い私を見て、明るい声で「ドライブ行こっか」と言いました。私は「うん」とだけ言い、車の後ろにあったティッシュを取り、目と鼻から出る液体を拭いました。
徐々にあたたまる車内は無言の時間が続きましたが、「コンビニよろっか」という一言で無言の時間は終了。あたたかい缶コーヒーを買ってきてもらった私は、甘いカフェオレもたまにはいいもんだなとしみじみと思いました。暗い夜道を車は走ります。姉についての真剣な話をしたり、どうでもいい母の職場の話を聞いたりしながら車は山道へ。話が止まり、ぼんやりと外を見ていると、母は「夜景でも見よっか」と言いました。途中車を止め、山から街を見下ろし、景色を見ました。田舎町なので電気なんてまばらで、夜景というほどのものでもなかったけど、そこで車を止めたまま、20分くらいの時間を過ごしました。話は途切れず、涙は止まず。


そんな一日でした。終わり。